会長挨拶

会長

第9回 全国てんかんセンター協議会総会 鹿児島大会
会長 花谷 亮典
鹿児島大学病院てんかんセンター センター長
鹿児島大学大学院 医歯学総合研究科 脳神経外科学 准教授


 この度,第9回全国てんかんセンター協議会(JEPICA)総会を鹿児島大学病院てんかんセンターが担当させていただくことになりました。こうした機会を得たことを大変光栄に存じます。

 JEPICAは全国のてんかん診療に携わる様々な医療職が協力し,てんかん医療およびケアの質向上を達成することを目的として2013年2月10日に設立され,現在は準センターを含めた37施設で構成されています。総会も早いもので今回の開催が一桁最後となります。その間,全国的なてんかん医療の質向上に向けて,行政による「てんかん地域診療連携体制整備事業」,また学会では「包括的てんかん専門医療施設認定」など,中核となる診療拠点の整備が進んできました。てんかん地域診療拠点には,医療側と患者側の調整を行うためのてんかん診療支援コーディネーターが配置され,2020年度から認定制度も始まりました。JEPICAはその認定研修会の一つですが,患者さんやご家族の立場に立った議論を行える本会は,てんかん診療を円滑に行うための課題を解決していく上で最も適している場と思います。

 未だ流行が治まらない新型コロナ感染症はてんかん診療にも多くの弊害をもたらしましたが,一方で,オンライン遠隔連携診療の普及を通して診療の地域格差解消につながったと,後に評価されるようなエポックとなるかもしれません。今度の総会では新型コロナ感染症蔓延下で出来たこと出来なかったこと,またこの状況下だから気付けたことをもとに,本会ならではの多職種の視点で,「新しい生活様式」に沿ったてんかん診療のあり方についても議論を深めることが出来たらと考えています。

 JEPICA総会はてんかん診療に関わる各職種の方々が一堂に会して議論し,交流を深める場であります。そうした場を維持するべく,密を避けられるような会場設定の下での通常開催を目指しております。春の鹿児島は過ごしやすい時期であり,本総会に多数ご参加いただき,活発な議論とともに鹿児島の地を楽しんでいただけることを心より願っています。そうはいっても,新型コロナ感染症の動向は予断を許さない状況であり,再燃や再拡大により会場開催からWEB開催に変更せざるを得ないかもしれませんが,いずれの方式でも本会の趣旨を損なうことのない様に準備を進めております。

 皆さまのご健勝を祈念いたしますとともに,鹿児島大会が実り多き会となりますよう,ご協力ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。