会長挨拶



第46回 日本口蓋裂学会総会・学術集会
会長 中村 典史

鹿児島大学 口腔顎顔面外科

 

 この度は、第46回日本口蓋裂学会総会・学術集会を鹿児島大学大学院口腔顎顔面外科分野が担当する機会を与えていただき、誠に光栄に存じております.鹿児島で本会が開催されますのは、第28回大会(平成16年)以来17年ぶりとなります.会員の諸先生方ならびに関係の皆様に謹んで御礼を申し上げます.
 会期は令和4年(2022年) 5月25〜27日で、会場はかごしま県民交流センターとさせていただきました。この会場は、鹿児島市の中心にあり、繁華街の天文館からも近いことから、会場へのアクセスがとても良い上に学会と美味しい郷土料理やお酒を皆様に堪能していただくうえで格好の場所と考えています.
 さて、学会のテーマは「健やかな笑顔を育むチーム医療 -口唇裂・口蓋裂児の心身両面を支える全人的医療の実践-」とさせていただきました.口唇裂・口蓋裂の一貫治療の最終ゴールは、患者を心身ともに健康な状態で社会に導くことと考えます.近年、治療法の進歩に伴い大きな障害に苦しむ患者は減少したといわれますが、同時に、口唇裂・口蓋裂児やその家族の心理的側面に配慮する医療や研究に注目が集まっています.そこで、患児が健やかに育つためには、我々が何をすべきかを考える機会としたいと考えました.
 今、世界的な新型コロナウィルスのパンデミックによって、通常の医療に制限がある中で、特別講演では英国ロンドンGOSHのDebbie Sell先生とTriona Sweeney先生にリモートによる口蓋裂言語治療についてお話いただきます.
 教育講演には神奈川県立こども医療センター心臓血管外科前部長 麻生俊英 先生をお招きし「最新の心臓手術と家族への支援」について、また、川崎医療福祉大学 中新美保子教授をお招きして「口唇裂・口蓋裂に対する自己認識の実態と次世代に向きあうための支援」についてご講演いただく予定です.
 シンポジウムでは、心身両面を支えるチーム医療を始め口唇裂手術、言語治療、歯科矯正治療、外科矯正治療についての最新のトピックスを取り上げ、また、患者・家族の代表を招いたパネルディスカッション「患児の笑顔を作り出そう-患者・家族・医療者の立場から- 」を企画しています.
 コロナ渦で久しく会員の皆様が一同に会した学会が開催されておりません.多くの方に歴史情緒あふれる鹿児島に足を運んでいただきたいと思いますが、コロナ禍の先の見えない状態ですので、対面とWeb参加の両方が可能なハイブリッド形式で開催する予定です.
 学術集会では、皆様のご協力をいただきながら鋭意運営を進めてまいりたいと思いますので、多くの演題のご応募、ご参加の程、何卒、よろしくお願い申し上げます.